公開日:2023.10.30
広告業界に浸かって数十年の私。
どこに行っても広告を見てしまうのはもはや職業病です。
交通広告も通勤時はもちろんのこと、完全お遊びモードでもついつい見てしまいます。(なんなら写真も撮っちゃいます。)
最近やたらと目に付く交通広告は、デカい文字の広告。
今年は本当によく見ます。
実は、デカい文字は交通広告では、理にかなったデザインなんです。
交通広告は、通勤・通学中に何度も見て広告主が訴求したいことを記憶してもらうことが目的です。
人の目が1ケ所に留まる時間は約0.3秒程度だそうです。
そして0.3秒で判読できる文字数はなんと最大で15文字ほど。
すっ、少ない!!
そこで・・・・。
広告の目的を達成するためには、
視認時間を増やすか
0.3秒で訴求するか
の2択になります。
視認時間を増やすには、エリアをジャックしたり、通路上に多面展開するのが一般的です。
ピールオフ広告や特殊な掲出で、通行人の足を留めるという手法もありますがはっきり言って、両方ともお金がかかります!!
もう1つの0.3秒で訴求する方法ですがラグジュアリーブランドなどは、0.3秒の視認を商品へ視線がいくように計算されたデザインになっています。
(グーテンベルクダイヤグラムに忠実です。)
そして、ここで登場するのがデカ文字広告です。
文字がメインの広告はストレートですよね。
0.3秒で左脳に突き刺さります。
なんて交通広告にピッタリなデザイン(?)なんでしょー!!
私が知る限り、ネットフリックスが元祖のような気がします。
エンタメ系もデカ文字追随です。
BtoB業界も。
あのワールドワイドなファッションメーカーも
オンラインゲームまで
え~~~~~っ!突き抜けてる「生」!
「生」で即ビールを連想するのは、日本人の酒飲みです。
デカ文字広告で、私が一番感動したのはONE CAREER の渋谷ハチコーボード2です。
転職や就活に興味のある人には「グサッ」とくる広告です。
YouTubeへの誘引が目的ですが、企画性の高いデザインですよね。
最終面接というコピーがすばらしいです。(私の個人的な意見ですが・・)
そして、私が一番感動したのが余白の使い方。
余白を広くすることで、通行人の視線を文字に誘導。
そして、アンバランスな余白でありながら、センスの良さを感じる計算された美。
昭和世代の企画マンは思わず唸ってしまいました。
余談ですが、下の広告はデザインが小さすぎてある意味衝撃的な広告でした(笑)
近眼な私は、ちょー近接で見たため、周りから「変なおばさん」認定されてたかも・・・。
広告デザインはマーケティング視点がとても重要になってきます。
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