AISCEASとは？広告戦略を進化させる7つのステップを解説

インターネットが当たり前になった今、商品やサービスが売れるまでの流れは、昔とはまったく異なるものになっています。「広告を出せば買ってもらえる」という時代は過ぎ、消費者自身が情報を集め、比べ、納得してから行動を起こすようになりました。そこで注目されているのが、「AISCEAS（アイセアス）」という購買行動モデル。この記事では、AISCEASの7つのステップと、それぞれの段階で広告施策にどのように活かせるのかを解説します。

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7ステップで構成されるAISCEASモデル

AISCEASは、2005年に提唱された消費者行動モデルで、インターネットやSNSの普及による購買行動の複雑化に対応したものです。その７つのステップを紹介します。

Attention（注意）

最初のステップは、商品やサービスの存在を知ってもらう「注意」の段階です。
例えば、テレビCMやWeb広告、SNS投稿のほか、多くの人が日常的に利用する電車内や駅構内での交通広告は、消費者の生活動線上で繰り返し自然に接触できるため、注意を引く上で非常に効果的です。この段階では、まだ消費者は具体的な購買意欲を持っていないため、分かりやすいキャッチコピーや視覚的なインパクトで「お、これは何だろう？」と興味の入り口を作ることが重要になります。

Interest（関心） 

注意を引いた消費者に「関心」を持ってもらうステップです。商品名やクリエイティブの魅力、あるいは「これは自分に関係がありそうだ」と感じさせることで、「もっと知りたい」という気持ちを喚起します。
例えば、商品のベネフィットが伝わるイメージ画像や、共感を呼ぶユーザーの体験談などを提示するのが有効です。SNS投稿への「いいね」や保存、関連動画の視聴といった反応も、関心が高まっているサインと捉えられます。この段階でユーザーの心を掴めないとすぐに離脱されてしまうため、いかに印象付けられるかが鍵となります。

Search（検索） 

自ら情報を求めて検索するという能動的な行動を開始します。商品名やカテゴリ名だけでなく、「〇〇 口コミ」「〇〇 評判」「〇〇 デメリット」といった、より具体的なキーワードで検索されることが増えるのがこの段階の特徴です。 SEO対策によって検索結果の上位に表示されることはもちろん、タイトルや説明文を工夫してクリックしてもらうことも重要です。検索結果画面での星評価なども含め、見え方を整備しておく必要があります。

Comparison（比較） 

検索して情報を集めた後は、類似商品や競合サービスとの比較に進みます。価格や機能、デザイン、特典の有無などを、口コミサイトやランキング記事、公式サイトの一覧ページなどで見比べる段階です。
このフェーズでは、ユーザーが「迷って購入をやめてしまう」ケースも少なくありません。自社の強みや他社との違いがひと目で分かるような比較表やチャートを用意することで、離脱を防ぎ、スムーズな意思決定を後押しできます。

Examination（検討） 

比較を経て、購入するかどうかを最終的に検討する段階です。ここでは、「本当にこれを買って大丈夫だろうか？」という消費者の不安を払拭することが求められます。 支払い方法や送料、返品の可否、アフターサービスといった実用的な情報の明記は不可欠です。さらに、専門家によるレビューや第三者の客観的な口コミ、FAQ（よくある質問）、チャットサポートでのリアルタイムな対応などを通じて、信頼性を高め、安心して購入できる環境を整えることが効果的です。

Action（行動） 

検討を終えた消費者は、実際に商品を購入したり、サービスに申し込んだりする行動のステップに移ります。ここでの離脱を防ぐためには、申し込みフォームの入力項目を減らすなど、購入までの手続きを可能な限りシンプルで分かりやすくしておくことが重要です。
また、初回限定割引や期間限定の特典を用意して「今買うべきだ」という後押しをすることも、最終的な決断を促す上で有効な施策となります。

Share（共有） 

最後のステップは、商品やサービスの購入体験を他者と「共有」する段階です。SNSへの投稿や口コミサイトへのレビューといった形で、「この商品を買って良かった」「こんな風に使っている」といった感想が発信されます。 この「共有」された情報は、別の消費者にとっての「注意（Attention）」のきっかけとなり、新たな購買行動のサイクルを生み出します。企業はレビュー投稿を促すキャンペーンやアンケートを実施することで、この好循環を意図的に作り出すことが可能です。AISCEASは購入で完結せず、この共有によって円のように循環していくモデルなのです。

AISCEASを広告戦略に取り入れるメリット

AISCEASは、単なる購買行動モデルではなく、広告を含むマーケティング戦略全体を最適化するための強力なフレームワークです。

意思決定のリアルに近づける

現代の消費者は、一方的に与えられる情報だけでなく、自ら検索・比較・検討を重ね、納得した上で購入を決めます。AISCEASは、この中間プロセスを重視することで、消費者のリアルな心理や行動に寄り添った広告設計を可能にします。単に商品情報を提示するだけでは購入に至らないケースが増えている今、「調べたくなるか」「比較しやすいか」という視点を持つことが、広告効果を高める上で不可欠です。

検索・比較フェーズに広告を連動させる

AISCEASの「検索」や「比較」の段階では、広告と、その遷移先であるランディングページや公式サイトの内容に一貫性を持たせることが極めて重要です。広告で興味を引いても、遷移先のページに求める情報がなければユーザーはすぐに離脱してしまいます。
例えば、ユーザーの比較検討を助けるための導入事例記事や詳細な商品比較表といったコンテンツを充実させることが、行動を促進する上で効果的です。リスティング広告やディスプレイ広告といった個別の施策だけでなく、ユーザーの行動全体を見据えた設計が求められます。

従来モデル（AIDMA・AISAS）との違いを把握しよう

AISCEASは、それ以前の購買行動モデルである「AIDMA」や「AISAS」を進化させたものです。

• AIDMA（アイドマ） : Attention → Interest → Desire → Memory → Action インターネット普及以前のモデルで、消費者が情報を受け取るだけの受動的な存在として描かれています。「検索」や「共有」といった能動的な行動は含まれていません。
• AISAS（アイサス） : Attention → Interest → Search → Action → Share インターネットの登場に合わせて「検索」と「共有」が加わりましたが、比較・検討のプロセスが抜け落ちているという課題がありました。
• AISCEAS（アイセアス） : Attention → Interest → Search → Comparison → Examination → Action → Share AISASをさらに発展させ、消費者が自ら情報を吟味する「比較」「検討」のステップを明記したことで、より現代の購買行動の実態に近いモデルとなっています。

AISCEASは行動を設計する広告戦略の軸になる

AISCEASは、消費者が商品を知り、関心を持ち、自ら調べ、比較検討を重ねて購入し、その体験を共有するまでの一連の流れを7つのステップで体系化したモデルです。特に、消費者が能動的に情報を探す「検索」「比較」「検討」の段階を含んでいる点が、従来のモデルとの大きな違いです。 これからの広告戦略では、ただ認知を広げるだけでなく、消費者の「調べたい」「比べたい」という気持ちに応え、自然な形で次の行動へと導くためのプロセス設計が欠かせません。AISCEASを羅針盤とすることで、ユーザーの心理と行動に寄り添った、効果的なマーケティング施策を展開できるでしょう。

交通広告で、AISCEASの第一歩を

AISCEASのサイクルを成功させる上で、起点となるのが最初の「Attention（注意）」です。どれだけ優れた商品やWebサイトがあっても、まず消費者に知ってもらえなければ、検索や比較といった次の行動には繋がりません。
通勤・通学などで利用される交通広告は、幅広い層の生活に溶け込み、繰り返しブランド名を刷り込むことで、ふとした瞬間に思い出してもらい、検索のきっかけ（Search）を生み出すパワーを持っています。
私たち春光社は交通広告に特化した代理店として、長年の実績とノウハウに基づき、お客様の課題やターゲットに合わせた最適な広告プランをご提案します。AISCEASの第一歩となる認知獲得に課題をお持ちでしたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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