
OOH広告は、駅や街頭、建物の壁面など、私たちの身近な場所でよく目にする広告のひとつです。
しかし、初めて出稿を考えている方にとっては「費用がどれくらいかかるのか」「どんな種類があるのか」がわかりにくいと感じることもあるでしょう。
この記事では、OOH広告の費用構造から、主な広告タイプごとの相場、制作にかかる具体的な内訳、さらに効果的に活用するためのポイントまでを解説しています。
OOH広告の費用はどう決まる?
OOH広告は掲出場所や形態、期間によってかかる費用は大きく変わります。まずは費用の大まかな内訳と、掲出期間や場所による変動要因を押さえておくと、予算の組み立てや効果的な運用に役立ちます。
費用構成は「媒体費」と「制作費」に大別される
OOH広告の費用は、主に掲出場所そのものに支払う「媒体費」と、広告を実際に作り上げるための「制作費」に分けられます。媒体費は駅や商業施設でのスペース利用料、看板掲出料、デジタルサイネージの放映枠などを指し、掲出する場所や利用者数、放映期間によって大きく変わりやすいです。特に利用者数が多いエリアでは、高額になる傾向があります。
一方の制作費は大別すると以下の4つになります。
制作費用構成①:デザイン費用
広告の印象を大きく左右するデザイン費用は、5万円〜30万円程度が一般的な目安です。よりこだわったイラストや企業のロゴ制作などを組み合わせる場合は、さらに費用が上乗せされることがあります。
紙媒体と動画広告では制作内容が異なるため、デザイナーや制作会社に発注する際は、どの媒体向けのデザインかを明確に伝えることが大切です。修正回数が増えたり、特殊加工を施したりすると、費用も膨らみやすいので注意が必要になります。
制作費用構成②:看板・チラシ・動画制作費用
看板やポスター、サイネージ向け動画を実際に作るための制作費は、素材の種類や印刷方法、サイズなどで大きく変わります。
屋外広告向けの場合は紫外線や雨風に強い素材を採用する必要があるため、同じサイズでも屋内広告より割高になりがちです。デジタルサイネージに使う動画データであれば、撮影や編集、エフェクトなどの作業が加わる分、印刷物よりも制作コストは高くなる可能性があります。
制作費用構成③:設置・工事費
駅看板やビルボードの掲出には、取り付けや足場組みなどの工事費がかかる場合があります。作業の難易度や高所作業の有無によって数万円から数十万円程度を追加で見込んでおくと安心です。
看板の設置場所が人通りの多い道路沿いであれば、夜間作業を指定されて割増料金になるケースもあります。撤去時の費用まで含めて契約時に確認しておくことで、後から追加コストが膨れあがるリスクを減らせるでしょう。
制作費用構成④:許可申請・行政手続き費
屋外広告の掲出には、地域によっては条例や規定で事前の申請手続きが必須となる場合があります。都心や観光地、駅周辺のように規制が厳しいエリアほど、書類や図面の提出が細かく求められるため、申請代行を業者に依頼する場合は2〜3万円ほどの手数料が一般的です。
継続掲出を希望する場合には、定期的に更新手続きを行う自治体も存在するため、長期間利用する看板ほどこの申請費用を考慮に入れておく必要があります。
主なOOH広告の種類と相場感
OOH広告とひとくちに言っても、駅構内のポスターからビルの大型看板、さらには道路沿いのサインや移動式のラッピング広告まで、実にさまざまな選択肢があります。
それぞれ相場や特徴が異なり、ターゲットや掲出場所の属性によって得られる効果も変わるため、事前に複数パターンを検討してみることが大切です。ここでは代表的なOOH広告の種類と相場の目安を紹介します。
駅構内ポスター
駅構内ポスターは1週間の掲出で数万円からはじめられることが多く、比較的コストを抑えやすいのが特徴です。B0サイズ(大判)では1週間で3万円~9万円程度が一般的とされ、主要駅や利用者数の多いエリアほど高めの料金設定になります。
改札周辺や乗り換え導線上など、乗客の視線が集中する場所はとくに人気枠となり、早めに申し込まないと埋まることもあります。掲出期間は1週間単位が基本ですが、短期のキャンペーンや商品の告知などにも活用しやすいことから、初めてOOH広告に挑戦する企業にも向いています。
ビルボード
ビルの壁面や屋上、袖看板などに大きく掲出するビルボードは、都市部の繁華街を象徴する広告手法です。掲出料金は1年間で100万円を超えるものが一般的ですが、渋谷駅周辺の超一等地で大型の電飾付き看板を設置する場合は、さらに高額になることがあります。
夜間の視認性を高める照明や電飾を付けるかどうか、また設置場所が高所かどうかによっても価格は変わります。看板のタイプと掲出規模で費用に大きな開きが出る広告と言えます。
ロードサイン
ロードサインは、道路沿いに立てる自立型の看板です、掲出料金はサイズや材質、設置場所によって大きく変動しますが、1年間で20~100万円が一つの目安です。
周辺を走る車の運転手や同乗者はもちろん、歩行者にもアピールしやすいので、店舗誘導やブランドの認知を広げたいときに効果的です。
自社所有地に設置できるなら地代や媒体費が不要になる場合もあるため、初期費用を抑えられるメリットがあります。ただし設置にあたっては景観条例や広告物規制がある自治体も多いため、事前に確認や許可申請が必要です。
デジタルサイネージ
映像と音声を使ってダイナミックに情報を発信できるデジタルサイネージ広告は、15秒CMを1週間に数回流す形式などが一般的です。駅や商業施設のモニターだけでなく、街頭ビジョンとしても設置されるため、人通りが多い場所なら高い訴求力が期待できます。
渋谷スクランブル交差点のような超繁華街にある大型ビジョンでは、1週間の掲載で400万円を超えるケースもあり、駅構内のサイネージでも主要駅ほど価格が跳ね上がる傾向にあります。一方で、自社店舗にモニターを導入してオリジナルのサイネージとして使う場合は、ディスプレイや設置工事などの初期費用がかかるため、長期運用を視野に入れたコスト計算が必要です。
電柱広告
電柱広告は月額数千円からはじめられる手軽さが魅力で、地域住民への認知や誘導看板としても利用されます。東京23区内など人口密集エリアでは1本あたり月3,000円程度から6,000円程度まで幅があります。
制作費を含めても比較的安価に長期間掲載できるため、地域密着型の店舗やサービスにとってコスパの良い広告手段と言えます。
ラッピングカー・アドトラック
トラックの荷台部分や車体全体を広告ラッピングしたアドトラックは、走行するだけで街中で視認されるインパクトの大きい手法です。大型イベントやプロモーションで一気に話題を集めたいときに使われます。
料金は例えば4tトラックの場合、1週間あたり100〜200万円程度の費用が目安です。他にも、走行エリアや走行時間、夜間照明や音響設備などのオプション有無によっても変わるため、見積もりをとる際は細かい条件を伝えることが欠かせません。
費用対効果を高めるOOH戦略のヒント
OOH広告は、人々の日常の動線に合わせて自然に訴求できるため、多くの企業が活用を検討しています。
しかし、どんな媒体を、いつ、どのような内容で出すかによって効果は大きく異なります。ここでは費用を有効に活かすための戦略上のポイントをまとめます。
ターゲットと目的を明確にしてから選ぶ
まずは「誰に」「何を」伝えたいかを明確化することが最優先です。若年層が集まる駅や大学周辺なのか、ビジネスパーソンが多いオフィス街なのかによって選ぶべき媒体は変わります。例えば、若年層を狙うなら音楽やファッション系のイベントが多い駅構内のサイネージが効果的かもしれません。
車での来店誘導が主眼ならロードサインや電柱広告が適しているでしょう。媒体のリーチ力と自社のターゲット像をリンクさせることで、より高い費用対効果が見込めます。
広告内容はシンプルで視認性を重視
OOH広告は駅構内や街頭、道路沿いなど、通行中に目が留まる仕組みです。人は広告を長く注視しないため、3秒程度で伝わるインパクトとわかりやすさが求められます。
文字情報よりもビジュアルをメインにしたり、色のコントラストをはっきりさせたりすると記憶に残りやすいです。サイズやレイアウトを工夫して、企業名やキャッチコピーなどのキーワードが視線に入りやすいように構成するとよいでしょう。
他の広告と組み合わせて効果を高める
OOH広告だけでは細かい情報を伝えきれない場合もあります。そのため、Web広告やSNSといったオンラインメディアと掛け合わせることで相乗効果を高める手段も有効です。
ポスターやビルボードにQRコードを配置して、キャンペーンサイトへ誘導する、SNSのハッシュタグを使って拡散を促すなど、スムーズにオンラインに接続する導線を用意すると、ユーザーが興味を持った瞬間に追加情報へアクセスしやすくなります。OOH広告で認知を高め、オンラインで購買や予約につなげる流れを整えると効果的です。
掲出期間とタイミングも戦略の一部
同じ場所に広告を出す場合でも、掲出期間やタイミング次第で効果は変わります。年末年始や行楽シーズンなどは人通りが増え、多くの人に見てもらえる機会が増える反面、競合する広告も増えるため媒体費が高騰することもあります。
一方で閑散期を狙えば、同じ予算でも目立ちやすい枠を確保できる可能性があります。また新製品の発売日やイベント開催日と合わせて広告を展開することで、ユーザーの興味が高まっている時期に最適な訴求を行えます。
まとめ| OOH広告を出すなら、費用構造と活用戦略をしっかり押さえておこう
OOH広告の費用は、掲出場所や媒体の種類、期間によって大きく変動します。媒体費と制作費の内訳を理解し、事前に見積もりを取ることが成功の第一歩です。
限られた予算でも成果を出すには、戦略的な出稿計画が欠かせません。基本構造を押さえつつ、目的に合った活用方法を検討しましょう。
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