公開日:2021.06.14
昨年からのコロナ感染拡大の影響で、「交通広告において特殊な事をしたい」というクライアント様からの要望に、なかなか応えることが出来ない状況があります。
ちょっとした話題やニュースになって欲しいという要望から、特殊な展開を企画することが多いと思いますが、駅構内で人が集まるような企画は、コロナ感染拡大を防止する観点からすると、電鉄側や駅側としては当然難色を示します。
駅構内においてイベントを実施し新商品をアピールしたい、という問い合わせや、主要駅の大型駅ばりなどでピールオフ(ノベルティや商品のサンプルを剥がして持って帰ることができる特殊展開)を実施して宣伝したい、などの問い合わせは、コロナ禍の状況でも頻繁にあります。
その都度、各電鉄へ確認をとりますが、見解は様々です。
まずは、駅の利用客が密になることは絶対に避けなければならないため、その対策が必要です。また、関係するスタッフ等のコロナ感染防止対策が必須となります。
<スタッフ等のコロナ感染防止対策の例>
マスク着用、フェイスシールド着用、頻繁な消毒、大声の声がけはNGのためプラカードを持って利用客を誘導、利用客が触れた部分は消毒、展示物は手を触れられないようアクリル内に配置、チラシの手配り禁止、1メートル間隔で床に立ち位置表示を貼る、などなど
昨年からのコロナ禍の状況でも、許可が取れて実施できている事例もありますが、以前では考えられなかったような細かい部分まで注意を払って企画する必要があります。
電鉄によって見解は様々ですが、不特定多数の方々が同じものに触れるような企画は、まだまだ実施が難しいのが実情です。
またサンプリング(商品や試供品などを無料で配布し実際に体験してもらい購入を促す)の場合も、直接手渡しは不可という見解も多く、非接触でのサンプリング方法が必要になりますし、まだまだハードルが高いように思われます。
そういえば、昨年のコロナ感染拡大が懸念され始めた時期(3月頃)に、ティッシュペーパーやトイレットペーパーが販売店で不足したことがありましたが、その時期に、街中でのサンプリングの代表とも言える「ティッシュ配り」について「今まで無視していた通行人が積極的にポケットティシュをもらいに行っている」という記事を見たことがありました。
ただし、現在では、他人から手渡しで受けるとることを極力避けたいという気持ちからなのか、コロナ禍の前に比べて通行人の受け取りは平均1~3割減になっている、という話も聞きました。
場所は異なりますが、駅構内であっても、街中と同じく、やはり他人から直接何かを受け取ることは避けたい、と思う利用客も少なくはないと思いますし、トラブルを避けるためにも、慎重にならざるを得ないことは理解できます。
とにかく、駅でのイベント等に限らず、現在の社会では、今までに考えたことがないような細かい部分まで気を配らなければならなくなりましたが、個人的には、イベントや特殊展開を実施できるような見通しが、一時期よりは戻りつつあるように思います。
まだまだ電鉄や駅によって見解は異なりますが、少しずつでも前進し、話題になるような面白い企画が通るようになり、広告業界に活気が戻ってくることを願っております。
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