公開日:2022.07.03
地球上に蔓延しているコロナ禍も3年目に入り、国内のみならず世界各国を見てもなんとなく収束に向かっている印象があります。
このまま収束し、そろそろマスクなしの生活に戻りたいところですが、日本人のメンタリティを考えるともう少し時間はかかるかもしれませんね。さて、コロナ禍の影響はOOH広告業界にも未だ及んでいるわけですが、やはりその要因としては、当初は外出自粛やテレワークが普及したことなどによる”人流の減少”という現象でした。
このことは、広告主企業側から見れば、”限られた予算”を今までと同じようにOOH媒体に割くことに、二の足を踏む大きな要素となってしまいました。
OOHとは“Out of Home”ですからね、最近では死語となりましたが、皆が”Stay Home”ではOOHの利用価値が目減りしたのも当然といえば当然のことです。
しかしながら、昨今では人流も大幅に戻ってきていて、鉄道利用者数に関しては、コロナ禍以前に比して概ね80-90%の水準で落ち着いてきた感があります。
一見すると、駅も街も以前と変わらぬにぎわいを見せています。
つまり、現在は「リーチはやや減少するが視認性/注目率は増加している」状況にあり、OOH視点では、”最適な環境”にあると言えるのかもしれません。
さてさて、そんなOOHのターゲットの多くを占める鉄道利用者数ですが、日本、とりわけ首都圏においては世界でも類を見ない規模であるということは周知の事実かと思います。
首都圏では、70km圏内の生活者2,900万人弱のうち60%が鉄道利用者ですから、およそ1,730万人もの人々が日々電車で移動しているわけです。(2019年データ)
「まぁ、知ってるけど?」と安易に思いがちですが、ちょっと俯瞰してみるとこれはとんでもない人数です。
東京都の総人口1400万人をかるく超えてますからね。
世界一と謳われる大都市圏で、これだけの人間が好むと好まざるにかかわらずリアルに電車で移動している現実には改めて驚かされてしまいます。
そこで、唐突ですがここで「世界の駅」の乗降客数ランキング(1日あたり)をざっと列挙してみます。
ご存じの方も多いと思いますので上位30駅のみ、一気にいきます。
1. 新宿駅(東京)353万人
2. 渋谷駅(東京)334万人
3. 池袋駅(東京)268万人
4. 大阪駅/梅田駅/西梅田駅/東梅田駅/北新地駅(大阪)248万人
5. 横浜駅(神奈川)232万人
6. 北千住駅(東京)160万人
7. 東京駅(東京)136万人
8. 名古屋駅(愛知)131万人
9. 品川駅(東京)113万人
10. ハウラー駅(インド)100万人
11. 新橋駅(東京)99万人
12. 高田馬場駅(東京)93万人
13. 難波駅(大阪)93万人
14. パリ北駅(フランス/パリ)92万人
15. 秋葉原駅(東京)82万人
16. 押上駅/とうきょうスカイツリー駅(東京)76万人
17. 天王寺駅/大阪阿部野橋駅(大阪)75万人
18. シャトレ レ アル駅(フランス/パリ)75万人
19. 目黒駅(東京)74万人
20. 有楽町駅/日比谷駅(東京)73万人
21. 京都駅(京都)71万人
22. 大宮駅(埼玉)70万人
23. 三ノ宮駅/三宮駅(兵庫)69万人
24. 西船橋駅(千葉)69万人
25. 大門駅/浜松町駅(東京)69万人
26. 上野駅(東京)68万人
27. ターネー駅(インド)65万人
28. チャトラパティ シヴァージ ターミナス駅(インド/ムンバイ)64万人
29. ソウル駅(韓国)64万人
30. 西直門駅(中国/北京)60万人
(※国内は2018年データ。当該駅に複数の鉄道が乗り入れている場合や近接駅がある場合はそれぞれ合算。海外は2014-2015年頃のデータ。且つ集計法が不明なためやや信憑性に欠ける可能性もありますがそこは大目にみてください)
どうです?
上位30駅中23駅が日本の駅ですから文句なしにJAPANの圧勝です。
(そもそも勝ち負けではありませんが......)
2019年以降ではもちろんランキングの変動もありますが、ここでは個々の駅の順位が重要なのではなく、鉄道を軸に街(都市)が発展してきた日本の特殊事情を再認識せずにはいられませんね。
そしてこのデータは取りも直さず、そうしたフィールドで展開される日本(特に首都圏)のOOH広告の持つポテンシャルが世界の中でも飛びぬけて高いことを示しています。
いくらコロナ禍で利用者が減少したと言っても、これだけのリーチを稼げるメディアはそうはありません。 活用しない手はないと思うのです。
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「いやー今さらサーキュレーションベースの話をされてもね、問題はその先ですよ」
という声が聞こえてきますね。
しかし、ここ数年はOOH業界もDX化を推進する潮流にありますし、DOOHをはじめ新たなプラットフォームの構築/進化により、長年の弱点だったイメージや経験値のみに依らない”定量的な広告効果の可視化”への取り組みもすでに始まっており、実用化もなされています。
さらに、メディアを横断した共通指標の整備が進めば、より使いやすい、より使う価値のある媒体へと 生まれ変わってゆくでしょう。
そして、コロナ禍が完全収束した暁にはふたたびその本領が発揮されることを期待しています。
まだまだ課題はありますが、ひとが行動し、移動し続ける限り、OOH広告の未来は明るいと信じています。
他メディアにはないリアルとデジタルの融合した空間。
人々を楽しませ、驚かせ、豊かな気持ちにさせる素敵なクリエイティブでこれからも積極的にOOHを活用してほしいと願っています。
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