公開日:2021.08.11
賛否両論のあった「東京2020オリンピック」は1年の延期を経て開催されました。
本来であれば待ちに待った東京で行われる2度目のオリンピック、自国開催という事では一生に一度の体験になるであろう世界最大のスポーツイベントという事で、何とかチケットを入手して、この目に焼き付けたいと思っていたのが遠い過去のような気がします・・・。
1年延期を決めたものの、コロナ禍は収まらず、逆に悪化してしまった状態で、残念ながら無観客の中で行われました。(一部、屋外競技では沿道や陸橋等に観客が集まってしまいましたが・・・)
緊急事態宣言下、不安な中で実施されたオリンピックですが、開会式、閉会式は派手な印象は無いものの日本独自の文化や技術を取り入れ、その中にもコロナ禍での開催に対する葛藤も表現され、開催前の大会組織委員会のドタバタを考えれば、この状況下でなるべく控えめな演目となりましたが、個人的には及第点だったのではと思います。(余りに長かったスピーチ以外は)
自国開催という事もありTVでは多くのチャンネルが朝から夜まで様々な競技を放送していたため、少しでも多くの競技を、感動の瞬間を見逃さない様にと忙しくTV観戦する日々が続きました。
中でも今回の新種目となった「スケートボード」や「BMX」は、日本選手の世界的な活躍があったもののスポーツとしての世間的な認知度は低く、若者世代をターゲットにしていた種目でしたが、意外にも幅広い世代を魅了しました。
それは世界的なスポーツイベントにおいて、様々な世代、人種、国境を超えて同じスポーツを愛するアスリート同志がリスペクトし、お互いの成功を喜び、失敗してもその挑戦を皆で称え合うという本来のオリンピックにあるべき姿を見せてくれたからでしょう。
メダル獲得だけではなく、最高の演技を見せたい、見て欲しい、自分の大好きなスポーツを世界に知って欲しいという願いから、失敗を恐れず敢えて難易度の高い大技に挑戦し自分の持っている全てを出し切ろうとする姿勢に心を動かされました。
新しい事に対する先入観を取払い、難しい事にチャレンジする大切さ、そして本当の意味でのオリンピックの良さを教えてくれた様に思います。
次回のパリでも、また新たな種目として「ブレイクダンス」の追加が決定していますが、この種目も同じように新たな風を吹かせてくれる事でしょう。
各国選手達のパフォーマンスには勇気や元気を貰い、これまでの苦労話や裏にあったドラマを知って更に感動を貰いましたが、競技終了後には多くの選手達がこの難しい状況下でのオリンピック開催に対し感謝を伝えてくれました。
そのニュースが世界に発信され各国の反響を耳にする度、このイベントがコロナに負けて中止にならなくて良かったと思いました。
当初想定の経済的効果も全く見込めず、中止にすべきだった、失敗だったという見方をする人もいると思いますが、閉塞感が漂う日常に数々の感動シーンを届けてくれましたし、参加された各国の選手達やメディアはこぞってSNS等においてボランティアを含めた関係者達の素晴らしい対応、そして日本のおもてなしを称賛してくれました。
これから行われる東京2020パラリンピックでの各国選手達の活躍、感動シーンも期待しつつ、これを機に多くの国から東京に日本に訪れたいという人が更に増え、コロナ終息とともに各業界(広告業界にも)にこのオリンピック効果が少し遅れてやってくる事を願います。
メディア部 M