公開日:2020.06.22
駅や電車の広告で利用者がアクションを起こすことでオフラインと
オンラインを紐づけ、立体的なプロモーションを展開する。
いわゆるO2O(オーツーオー)と呼ばれる分野において、交通広告が起点となる
プロモーションがここ10年近く繰り広げられてきました。
QRコードはあるけれど・・・
交通広告とデジタルを結びつける代表的な手段として思い浮かぶのが
QRコードです。残念ながら電車内の広告はQRコードを表記することができません。
理由としては盗撮などの車内トラブルを防止するためです。
(※一部の車内媒体でQRを限定的に解禁しています。詳細はお問合せください)
電車内のQRコード表記はハードルが高いですが、駅広告では表記可能です。
(場所によっては不可の場合もあり)
駅に掲出するポスターの中にQRコードを表記し、
興味ある人がそれを読み取って情報にアクセスしてくれる。
シンプルな昔からある手法で、ガラケー時代でも試みられていました。
駅にポスターを掲出して、多くの人がQRコードを読み取って商品を購入してくれたり、
来店してくれたら大変すばらしいことだと思います。ただ、現実にそうなるケースは
ほぼありません・・・なぜなのでしょうか?
やはり、駅の利用者は移動のために駅を利用しているのであって、
ポスターのQRコードに反応する人はかなり少数派でしょう。
逆に反応するくらいその告知内容に興味がある人はすでに自分からWebで
その情報を収集しているではないでしょうか?
結局、交通広告におけるQRコード表記は手法として
爆発的な広がりをみせることはありませんでした。
スイポという幻の媒体
かなり昔、スイポという広告媒体がありました。
これを知っている人は交通広告業界でもある程度キャリアが長い人だと思います。
このスイポですが、駅ポスターの脇にSuicaリーダーが設置されていて、
それをSuicaまたはPASMOでタッチすると自分の携帯電話に
広告と関連する情報が送られてくるという仕組みです。
華々しくスタートしたスイポですが、Suicaリーダーの電源が切れている時が
徐々に増え、気づけばいつの間にかリーダーの機器も撤去されていました。
試みとしてはとても斬新で面白い内容だったのですが、
定着するまでには至らなかったようです。
フェリカリーダーで情報配信?
車内広告や駅広告にフェリカリーダーをつける手法も何回か試みられました。
弊社でも以前、「ストらっぴ!」という商品をリリースした経験があります。
電車の車内ジャックを行う際に吊革にフェリカ端末をつけて運用するという
新しい試みでした。
当時、ローンチクライアントを担当した経験では、車内でタッチするのは
他の人の目が気になってしまいハードルが高そうな印象を受けた記憶があります。
また、当時はiPhoneにフェリカに対応しておらず、広告にタッチできるのは
アンドロイド端末だけという状況でした。実際の効果測定結果についても、
良好な数字をたたき出すことはできませんでした。
駅広告でもフェリカをタッチさせる試みがいくつかありましたが、
車内同様にこちらも定着することがありませんでした。
ビーコンという新しい希望?
Bluetoothの信号を使って情報を伝達するビーコンが少し前に話題になりました。
交通広告業界でもビーコンを利用した情報発信や集客の盛り上がりがありましたが、
気づけばいつの間にか尻すぼみ?になったような感があります。
まだ新しい技術なので、今後に期待なのでしょうか??
やはり交通広告でO2O(オーツーオー)は難しいのか?
約10年の間に様々な手法が試されましたが、定着した手法はありませんでした。
交通広告をタッチポイントとして、デジタルと連動させることは難しいのでしょうか?
あくまでも私の考えですが、これまでの手法はテクノロジーありき
だったような気がします。けっきょくのところ、いくら仕組みを作ったところで
人は動かないというのが大きな教訓ではないでしょうか。
実際に駅構内でアニメやゲームの面白いイベントがあると、
ファンがこぞってSNSにアップしてくれます。
自分が好き、面白い、といった感情が芽生えて、
それがデジタルとの連動を後押しするのだと思います。
多くの人が興味関心を示すような展開・企画を考えることが、
O2O(オーツーオー)の実現に一番必要なのだと思います。
営業部 新井
大手プロモーションを得意としてます!
春光社で営業として10年ほどを過ごし、テレビ、新聞、金融、不動産など、 様々な業種を担当した経験から、引き出しの多さに自信があります。 目的に合った媒体の選定から少し変わった展開方法など、お客様の ニーズに合わせた最適なプランをご案内致します! 趣味は自転車(ロードバイク)と熱帯魚の飼育、好きな食べ物はカレーと焼きとんです。