公開日:2020.05.27
今回はデジタルサイネージのことについて書きたいと思います。
具体的な媒体に関する内容はこのコラムにも色々と書かれていますが、
ここではデジタルサイネージの大きな流れについて書きたいと思います。
今から13年前の2007年にデジタルサイネージ市場の拡大を目的とした団体、
デジタルサイネージコンソーシアムが設立されました。
当時は海外の事例などが紹介され、これから日本でも駅や商業施設など
ありとあらゆる場所がディスプレイで埋め尽くされる、といった風潮で
語られていたのを記憶しています。
以前にとある金融系の会社を訪れた際、サイネージを導入したもの
の広告が全く売れないと相談されたことがあります。
サイネージのベンダーは、
「お客様への情報発信もできて、導入コストは広告費で賄えますよ」
という甘い言葉で囁きます。
いま考えれば、そんな美味しい話があるかよ!とツッコみたくもなりますが、
当時はやたらサイネージ、サイネージと煽っていた感じがします。
当時の熱気はかなりのもので、デジタルサイネージコンソーシアムは
2015年に市場規模を1兆円にする!とぶち上げていました。
実際はどうだったのでしょうか?
富士キメラ総研の資料では2018年で1659億円と、
当初の見込みを大きく下回る結果となっています。
なぜここまで大きく見込みが外れてしまったのでしょうか?
あくまでも私の個人的な見解ですが、スマートフォンの普及が
大きく影響を及ぼしたのではないかと感じています。
2010年には9.7%の普及率が2013年には62.6%へと爆発的に伸びました。
(総務省「通信利用動向調査」)
個人が手元で様々な情報を瞬時に取得できるようになったこと、
また通信環境の変化でその情報がどんどんリッチになっていきました。
このことがデジタルサイネージの普及が当初想定より伸びなかった
原因だと思います。情報を配信する企業側もサイネージというハードを
導入・設置するよりも、個人のスマホに向けてピンポイントで情報配信
したほうが費用対効果が高いと判断したのではないでしょうか?
もう一つ、広告媒体としての観点から考えると媒体社間を超えた統一的な
プラットフォームができなかったことが、当初の想定よりも普及しなかった
要因だと思います。
直近の10年間、交通広告においてデジタルサイネージはかなり普及しましたが、
やはり既存媒体の延長線に位置付けられているように思います。
駅構内のサイネージで柱に設置されたものは縦型のサイネージ、
駅構内のコンビニに設置されているサイネージは横型がメインです。
駅という場所をとっても、広告メニューに統一性がありません。
どうしても媒体社や媒体カテゴリといった枠組みに制約されてしまいます。
広告主目線で考えるとこの現状は不便極まりないと思います。
例えば、池袋駅の東口側を利用する人へサイネージで広告配信する場合を
考えてみましょう。
池袋駅の東側に向かう動線上にある駅サイネージ、
その途中にあるコンビニのサイネージ、駅を出た先の屋外ビジョン、
これら全てをパッケージで買えて、同一フォーマットで一括入稿できたら
大変便利です。もしこのように、様々な場所に点在する個別の媒体を
シームレスに運用できれば、現在よりも広告需要を喚起できたのでは?
と思うのは私だけでしょうか。
また、サイネージ出稿の裾野を広げるには、広告予算がそれほど高くない
広告主でも気軽に出稿できる仕組みを整える必要があるのではないでしょうか?
売れ残っている枠についてはダイナミックプライシングで安く販売したり、
曜日や時間帯などで小間切れにして販売したりすることができればよいと思います。
駅広告、電車広告、屋外ビジョンといったカテゴリの下にぶら下がるデジタルサイネージ。
これらをデジタルサイネージという枠で改めてくくり直して、
より広告主が活用しやすいプラットフォームを再度構築していく
必要があるのではないでしょうか?
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